おはようございます♪ 新米の季節ですが、米づくりにとって重要なのは水ですね。
川の水をそれぞれの地域に均等に分水する仕組み、水争いの解消のため各地に作られました。特に円筒タイプの円筒分水槽は、富山には5箇所あります。石川や福井にはありません。
写真は、そのひとつ、上市町にある「釈泉寺円筒分水槽」です。
1954年に作られ、2022年に国有形文化財に登録されています。上市町では初の登録物件だそうです。
このシステム、均等に分配するだけではなく、対岸の地域に分けた水を届ける仕組みも必要で、ここでは、川の下を通す構造です。
右岸左岸、それぞれで取水したほうがよっぽど楽なんでしょうが、この水の分配システム、昭和中期になると射流分水工が考案され次第に姿を消したそうです。
なお、ここまで車で入れますが、1車線で、途中、未舗装なのでご注意を。対岸に停めて歩くのも手です。
ちなみに、県内の円筒分水槽は、今回の上市の他、魚津東山、魚津貝田新、赤祖父、氷見にあります。
参考:円筒分水ドット・コム
釈泉寺円筒分水槽
上市川の左岸に作られた直径9.3メートルの円筒分水槽が、水量の変化に影響されることなく、両岸の幹線水路に均等に分水します。
上市川からの水の取入口。水は濁っています。この先、地下水路を通ります。
そして、直径9.3メートルの円筒から出てきて、周囲に均等に流れ落ちます。近づきたいところですが、柵の中には入れません。
そして左右に分割されます。
残暑で元気な太陽と。
右岸(左)と左岸の幹線水路に分水します。右岸水路用は、上市川の下を潜る伏越工法で、右岸の田んぼに水が供給されます。
あとがき
分水塔、別に円形でなくてもいいと思います。工事的にも難しいでしょうし。実際、常願寺川の両岸分水工は直線(背割り方式)で分割しています。
しかし、均等に分水するには、円形がベストなのです。このあたり、円筒分水の知識 で解説されています。流速の影響で、背割り方式は分配される水の量に違い生じるようです。