光と風と薔薇と

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なんとか終了・バラの植え替え:土の団粒構造

こんばんは♪ 

 

寒い時期は、バラの剪定と植え替え時期ですね。

 

店で花が気に入って買っては見たものの、適当な植え場所がない花の鉢が3つほどあります。なんとか、2月中に植え替えを済ませました(笑)。

 

ところで、植物がうまく育つためには、団粒になっている土がいいとよく聞きます。後半では、その土の団粒構造について紹介しています。

 

団粒構造だと、水はけ(排水性)と水持ち(保水性)という矛盾する機能が保たれます。微生物やミミズなどの働きも重要で、農薬や殺菌剤などを多用すると、固くなっていい土にはならないのです。

 

ローズうららの植え替え

つるばらのローズうららの植え替えです。

 

植え変え前

 

雑草もびっしり生えています(笑)。残っている葉は手でむしります。細い枝など、2分の1ほどに剪定します。

 

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土のブレンド

 

土の団粒化には微生物の働きが重要です。そのため、適度な有機物の配合が必要です。

 

基本の土として赤玉土(中粒):5

有機物(完熟たい肥、腐葉土1:1):4

土壌改良剤(くん炭、パーライト):1

 

基本の土:赤玉土は粒状で団粒構造になり、団粒の中に水や肥料を保ちます。

有機物:完熟たい肥と腐葉土を1:1で混ぜたものを使います。土の細菌が活発に働き、団粒構造になるのを助けます。

土壌改良剤:籾殻を炭化したくん炭とパーライトを混ぜたものを使います。くん炭は、弱アルカリ性で、酸性になりがちな土を中和します。パーライトは水はけや通気性を良くます。

 

赤玉土(中粒)の粒は1cmほど。できればくずれにくい硬質を使います。

 

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根を洗う

 

土を落として、根を洗います。冬の休眠期ならではですね。

いたんだ根や長過ぎる根は手でむしります。この後、しばらく1%程度の木酢液につけておきます。殺菌というか、おまじないです(笑)。

 

底に軽石をしいて植え付け、鉢底から出るほどたっぷりと水をやります。

 

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植え替え・剪定後

 

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排水性と保水性:土に求められる矛盾する機能

植物が育つ土には、水はけ(排水性)が良くて、水持ちが良い(保水性)という矛盾するような機能が求められます。

植物に必要なある程度の水分を保ちながら、根腐れしないよう余分な水は排水するというわけです。

 

また、通気性や保肥性(肥料分のもちが良いこと)も求められます。その機能を果たすのが、団粒構造とされています。

 

微生物やミミズなどの働きがポイントとなるわけで、農薬や殺菌剤などを多用すると、いい土にはなりませんね。

 

土の団粒構造

世界中にある一般的な土壌では、ミクロ団粒が集まってマクロ団粒になるという階層構造が示されています1)2)

 

ミクロ団粒(直径0.25mm以下)は、その名の通り小さくて、しかし強固な団粒です。土壌中の有機物や微細鉱物から形成された結合体で、短期的には微生物が作り出す高分子物質(粘物質)が、長期的には多価金属陽イオンも加わった複合体が強固な結合を維持します。

 

そして、細根や、微生物が有機物を分解する過程で生じた菌糸等の働きによってミクロ団粒が集合して、マクロ団粒(直径0.25mm以上)ができます。こちらは、比較的崩れやすく、生成と分解を繰り返します。

 

微生物の働きも、ミクロとマクロでは異なるようですね。

 

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大小のスキマをあわせ持ちます。マクロ団粒内部にある小さなスキマで水や肥料分を保持し、大きなスキマで水はけを良くし通気性を確保するわけです。

 

最初は人工的なマクロ団粒系

マクロ団粒のサイズが直径0.25mm以上ということは、0.25mmのサイズもありうるということです。かなり小さいですね。微塵な土として流れ出してしまいそうです。

 

しかも、購入したばかりで新しくブレンドした土では、微生物があまり機能しておらず、団粒構造はそれほどつくられていないはずです。

 

なので、最初は、人工的な団粒構造を作り出すのです。

 

例えば、バラの基本の土は赤玉土(中粒)で、有機物((完熟たい肥や腐葉土)などを混ぜます。

赤玉土は火山灰からできた赤土を乾燥させ団子状になった土です。中粒のサイズは、1cmほどで、これが団粒構造のメインの団粒となるわけです。

 

赤玉土の中のスキマに、水や肥料分が保たれます。赤玉土はやがて崩れていき、小さな団粒系を形成していきます。

 

赤玉土の人工的なマクロ団粒系

 

下図は、赤玉土(中粒)に有機物((完熟たい肥や腐葉土)を混ぜたイメージ。自然にできる団粒系に比べて大きなサイズです。

 

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参考

1)黒ボク土の団粒構造の階層性を解明

2)ミクロ団粒とマクロ団粒