光と風と薔薇と

移りゆく季節をなにげなく表現するブログ

冬でも葉が枯れない雪割草の一年

雪割草展の写真が続きましたが、雪割草の育つ環境と我が家の育て方をまとめてみました。

 

不思議なのは雪割草の葉ですね。たいていの春の花と違って、冬でも枯れずに残っています。

 

 

自生地の環境

雪割草とはいいますが、正確にはミスミソウの仲間のオオミスミソウです。

自生地は、雪の多い日本海側の、落葉樹が茂る水はけのよい傾斜地。おおまかな四季の変化は次の通り。

 

:雪解けで、日が当たるようになると、花が咲き始めます。花が終わる頃から新しい葉が出てきます。5月頃には、葉が固まってきて、中心に止め葉が出てきた頃から、翌年の花芽形成が始まります。

:落葉樹の葉が茂ってきたり、周りの草が成長して、日陰になります。蒸し暑い夏は苦手です。

:落葉樹の葉が落葉してくると、日が当たるようになります。

:雪の下です。

 

雪割草の1年

まわりの環境と雪割草の1年を模式的に示してみました。

 

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落葉樹の葉が茂る頃:5月から10月です。

積雪時期:北陸地方なので、12月末から3月上旬です。

光合成の時期:とすると、光合成ができるのは、春(3月~4月)と秋(10月から11月)になりますね。

 

花は3月から4月にかけて咲き、やがて種子ができます。

葉は花後に出て、新しい葉が出た2年目以降も残りますが、夏までには枯れていくようです。家では新葉が出ると摘み取るので、古い葉がいつまで残るのか不明です(笑)。

 

我が家の鉢植え

ちなみに、我が家の鉢植えでの育て方です。

雨に当てすぎたり、太陽に当てたりすると葉が枯れます。かつて、全て枯れたことがありました。翌年はなんとか花が咲きましたが。

 

:置き場所は日中は温かいサンルームです。日が当たると、花が開きます。花が終わる頃から新しい葉が出てきます。

:5月連休ころまでは日に当てますが、その後、風通しのいい場所に移し、遮光ネットで完全遮光(遮光率90%以上)です。また、水やりは3~4日に1回、表面が乾いたら、です。新葉が出たら、古い葉は摘み取ります。

:落葉樹の葉が落葉する頃から、日が当たるサンルームに引っ越しです。

:日が当たる場所です。

 

冬でも葉が枯れない雪割草

同じ春に花を咲かせる福寿草やイチリンソウは、夏になると葉を枯らしてしまいます。

また、たいていの多年草でも、冬には葉を落として枯れてしまいます。葉を残しておくにも、エネルギーを使うからでしょう。

 

クリスマスローズのように、春に新葉が出る時期でも古い葉が残っているのもあります。新葉の光合成のじゃまになるので切り取ってしまうのが普通ですが、実際は地面近くでベターと大きく広がって邪魔にはなりませんが(笑)。

 

落葉樹の葉が茂ってくると、日が届かなくなるので、葉があっても光合成ができにくいので、葉を枯らして休眠したほうがエネルギー消費が少なくて合理的です。

 

一方、雪割草の葉は1年以上は持ちます。

それは、新葉が出るのが遅く、出る頃には日陰になるので、やがての秋と春の光合成に備えて、葉を残しているからなのでしょう。

クリスマスローズと違って、古い葉を取らないほうが、新葉の出が良いようです。

 

雪割草の新葉 

開き始めた新葉。小さい三つ葉、生い茂る古い葉の影になりがちです。

 

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こちらも開き始めた新葉。ピンクなど、花に赤い色素があると、新葉は赤みがかった茶色になります。

 

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 古い葉は、やがて周囲から枯れていきます。

 

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