うっとしい梅雨ですね。湿度の高い季節だけに、挿し木には最適です。
今回はクレマチスの挿し木について。何回もやっていて、ほとんど失敗がない方法について紹介します。
NHK趣味の園芸の金子さんの方法をアレンジしたものです。ポイントは、挿し土にパーライトを使い、最後に袋でおおうところでしょうか。
今回、アフロデーテ・エレガフミナを例にしています。
用意するもの
クレマチスの新枝:1鉢に2~3本さします。全部発根すれば、1組、数本の株立として植えます。
鉢:4号(直径12cm)程度のポリポット。私は花苗の入っていた直径10cmの容器を使っています。
鉢底ネットは使いません。発根して根が大きくなると、ネットに絡んで取れなくなる場合があるからです。しばらく土をとどめるだけなので、底に新聞紙2重にひきます。
土:パーライト、鹿沼土(中粒、小粒)、赤玉土(小粒)
その他:カッター、割り箸、バケツ、鉢皿、半透明のビニール袋など
あればいいもの
植物活力剤:メネデールなど。挿し穂の水あげに使います。
発根剤:ルートンなど。挿し穂の切り口につけます。
まだ咲いているアフロディーテ。今頃になると4枚花ですね。左は発根剤のルートン、右は花苗が入っていたプラ鉢。
挿し木
枝の選択
選ぶ枝:今年伸びた、しっかりした枝です。節と節の間が短い方が、全体が長くならなくて扱いやすいですね。
避ける枝:
花が咲いた枝は、新芽が出にくい場合があります。
根元付近の太くて硬い枝は、発根に時間がかかります。
先端のやわらかい枝は、しっかりせず扱いにくいので避けます。
挿し穂の準備
枝を選んだら、2節に切り分けます。
下の節にある葉は落として、その節の下2cmほどで、ナイフなどで斜めにカットします。上の節についている葉は少し切ります。
アフロデーテ・エレガフミナは新枝系なので、すべて今年伸びた枝です。花の咲かなかった枝を選びました。
ただし、わりと節間の長い枝しかありませんでした。。。上の節にある左右の3枚葉は、2枚にカットしています。
枝の先端や下の節から発根します。新芽は下の節からでます。
水あげ
2~3時間、挿し穂を水につけて水あげします。
水あげに、私はメネデールの100倍希釈液を使っています。ただし、これはおまじないで、水でもかまいません。
土に挿す
鉢底に鹿沼土の中粒を1~2cn敷きます。
次に、パーライトと鹿沼土の小粒を4:1に混ぜた土を入れます。
上から水を流し、細かい土を洗い流します。
割り箸などで穴をあけ、下の節がうまるようにして挿し穂をさします。
ひとつの鉢に2~3本さします。
ぐらつかないように、また軽いパーライトの飛散を防ぐため、上面に赤玉土(小粒)をしいて、軽くおさえて枝を固定します。
発根剤:私は挿し穂の先に発根剤をつけています。これもおまじないで、なくても発根します。
※水中ざしにする方法もあります。バケツなどを使い、鉢全体を水につけてから挿し穂をさします。鉢を水から上げると土がしまります。発根剤が水に溶け出す気がしてやってはいません。
挿し穂1本をさしたところ。
その後の管理
葉から水の蒸散を防ぐため、鉢皿全体を半透明のビニール袋で覆います。ツバキの挿し木で使われている方法です。
鉢皿には常に水をためておきます。
戸外の明るい日陰に置きます。時々、霧吹きで葉に水を与えます。
発根
挿してから3週間程度で発根してきます。
ビニール袋をはずし、鉢皿の水を少なめにして発根を促します。
1か月ぐらいたったら、鉢皿を外して上から水やりします。
このまま鉢で越冬し、来春以降植え替えるか、庭植えにします。
発根状況
別の品種(アラーナ)の発根状況です。約2ヶ月後に撮影しました。
一旦根が出たものの、枯れてしまいました。根は、先端や節からではなく、枝全体から出ています。
発根剤を挿し穂の先につけた効果は不明です。