光と風と薔薇と

移りゆく季節をなにげなく表現するブログ

レンコンはどっちから?:ハスとスイレンは他人の空似

こんばんは♪ 台風、熱帯低気圧に変わりましたね。雨は大したことがないのですが、2つあった花火大会、1つは中止になりました。

 

さてさて、ハスとスイレン、写真を撮っていると、その違いははっきりわかります。しかし、どこがどう違うと聞かれると、意外とあやふや(笑)。

 

今回は、そのあたりをまとめてみました。どろどろの沼から似たような花を咲かせる点では似ていますが、他人の空似のようです。

 

 

スイレンは被子植物でも意外と原始的なグループで、スイレンとハスは系統的にずいぶん離れています。ちなみに、レンコンになるのはハスの根茎ですね。地下茎の一種で、根ではありません。

 

 

ハスとスイレンの違い

主な違いです。スイレンは、温帯種と熱帯種で一部異なります。また、オニバス類はハスという名ですが、スイレンの仲間です。

 

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1)オニバス類に葉の切れ込みはありません。

2)温帯種は水面か水面近くで咲き、熱帯種は水面から花茎を伸ばして咲きます。

3)秋には地下茎の先端が肥大して、レンコンになります。

4)温帯種は塊根で少しずつ伸び、熱帯種は小球ができて増えます。

 

 

温帯スイレン

日本でよく見かけるスイレンです。花は水面近くで咲きます。大きな切れ込みがある葉には光沢がありますが、水を弾かず、表面に浮かんでいます。

ハスは漢字で蓮、スイレンは睡蓮。眠る蓮ですね。夕方には花を閉じて、眠っているようにみえるそうです。

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熱帯スイレン

熱帯スイレン特有の青紫色のコロラータという品種で、タンザニア原産です。温帯スイレンと異なり、茎を伸ばした先に花をつけます。

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こちらは、大輪で鮮やかなレッド・フレアー。夜に咲きます。葉には大きな切れ込みがあり、鋸歯(周囲のギザギザ)もありますね。

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ハス

喜上梢眉(きじょうびしょう)の花。スイレンよりやや遅く、水面より高い位置で咲きます。花も終盤になると開いてきて、真ん中の花托が目立つようになります。

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大賀ハスのツボミと葉。葉には光沢がありませんが、水を弾きます。根茎が育つと、秋にはレンコンになります。

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ハスとスイレンの系統

系統的には、かなりかけ離れています。

スイレンは、被子植物ですが、単子葉類にも含まれない原始的なグループです。図では、スイレン目スイレン科とされています。

一方、ハスは真正双子葉類で、ヤマモガシ目ハス科です。写真は、植物園の看板から。

 

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ハスの分布と化石産地

ハスは日本を含む東南アジア一帯に分布し、キバナハスは、北米南部に分布しています。

一方、白亜紀から第四紀更新世の化石分布を見ると、アフリカやオーストラリアを除くほぼすべての大陸で見つかっています。

 

現在のヨーロッパやアフリカ、南米には分布していません。また、カスピ海の周辺には、ハス・カスピカムが自生しているそうです。

 

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